私はデザインを職業としている。デザインもほかのいろいろな分野の活動と同じように、今やとても細分化しているので、私が直接知っているのはデザインのほんの小さな部分にすぎない。しかしそれなりに長いあいだ関わっているので、デザインという行為そのもについて、自分なりに気づいたことや理解したこともたくさんある、ような気がしている。そして何より私は私なりになんとかして「デザイン」のことを言い止めたいと思っている。
デザインについて、それが何かを「産み出す」行為だとしたら、産み出されたものを使う側の人たち、つまりデザインの「受け手」がいる。しかし私の視点はそれを産み出す側の人間、つまりデザインの「産み出し手」のものである。さらにそれは専門的な職業としての視点である。
語るスタンス上の一つのキーワードは「リアル(さ)」ということである。自分がこれは本当にそのとおりだ、と思っているかどうかのある種の真剣さの尺度を私は「リアル」と呼んでいる。
私にとってブルースという音楽は、リアルさの象徴である。リアルだからちょっぴり悲しいのだ。
(110204)
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