2012年1月11日水曜日

表現とデザイン


(2012、卒業生の記念図録への寄稿)
卒業おめでとう。
これからプロとしてデザインの職につく方もそうでない方も、どちらにしても人生の数年間、デザインを学ばれたことは大きな意味を持つものと信じます。なぜならデザインは一つの職能である前に、人の根源的な行為である『表現』につながるものと私は考えるからです。
表現とは、はじめに表現すべき何かがあって、それをなんらかの媒体の上に見える/聴こえるようにすること、と考えがちですが、表現する前にはそれがなんだかわからない、というのが事実です。つまり人は、なんだかモヤモヤと心/頭/体の中にある、よくわからないものを突き止めるために表現してみるということです。デザイナーはたまたまその技術を磨いて職業にしているということなのだと思います。
そういう目でここでの学びをもう一度俯瞰してみてください。またできることなら、ときにはここに還ってきてください。体や場所という意味でも、こころや精神という意味でも。
(120111)

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