2010年7月25日日曜日

道具と機能の関係

われわれは、ある道具を作るときに、つい「機能」を盛り込もうと考えがちだが、本来機能は一つ二つと数え上げて、道具に「付与する」ようなものではなく、使う人が自然と道具の中に見いだすものだったのだと思う。
われわれデザイナーにできることは、使用者が自ら用を見いだせるように、デザイン実態をしつらえることではないか。なんだかうまく考えていることを表現できていないように感じるが、要はあまり作り手側が、機能を固定的に考えすぎないように、ということ。
マーケットに流布している製品のカタログの最後のページを飾る「機能表」を見比べるような競争から、デザイナーは一歩、身を引いていなければならない。作り手側が考えもしないような思わぬ使い方を使い手がするなら、その製品は成功であって、もし想定された使い方でしか使われないとしたなら、その製品は失敗なのであろう。
(100725)

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