2010年7月8日木曜日

機能

思えばずっと昔から「機能」という言葉に、なんとなくざらついた感触、というか、いつも括弧付き(欧米人が両手の人差し指と中指を二回握りながら話すような)でしゃべっていたような気がする。日常でももちろん普通に使う言葉だし、嫌っているわけではないが、つねに距離をおいて自分の仲間ではないことを表明しつつ使ってきた。そして、その理由が今突然、何となくわかったような気がしている。
「機能」という言葉は、すでにそこに存在しているモノやコトに対して、その一部分を切り出し文節化して、その部分(物理的な部分である場合もある)に名付けたものである。そしてその分節化は、恣意的なもの、ないし慣習的なものであるように思える。しかし、そうやって切り刻んだ部分は、どこまでいっても部分でしかないのに、機能を網羅して語ることによって全体が語れるように錯覚してしまう傾向があるように思う。それが違和感の元になっている、ということだ。
(100708)

0 件のコメント: