2012年3月20日火曜日

デザイン論文


デザインについて書かなければいけない論文が一本ある。しかしわたし自身できれば「論述」からは、一歩距離をおきたいと思うのだ。科学や学問は論述あるいは論証をその中心に置いている。つまりそれが「正しい」ということを、きちんと証明し説明しなければならない。ある条件Aが成り立つとき、必ずBが成立する、ということが言えること。それを命題というのだが、デザインはそもそも「命題」を扱っていないのである。そこがそもそも全然違う。
デザインそしておそらく芸術も、ある条件(作品)が、ある結果(人が何かを感じること)を、産むのではないかと、問うている「だけ」だ。結果がでない、つまりそう感じない人がいても別に構わない。100%の人が、確実に同じように感じる何らかの表現を目指してなんかいない。おそらく100%の人が同じように感じる何かを作ってもつまらないだろう。それを月並みという。むしろ少数の人が、非常に鋭く、強く、深く、感じてくれるかもしれない、ということに賭けている。
これらは、論述にはいかにもそぐわない。だからむしろわたしは、詩のように語りたい。
実はその論文で語りたいということは、このようなことなのだ。この言明ははたして「論述」なのだろうか。論文になるのでしょうか。
(120320)

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