デザインは常にマジックである。
デザインで解決しようとする問題の中には必ず自明でないパスが存在する。問題に関わるいろいろな要素がすべて理論化されているとすれば、あとは計算通りに実施するだけだ。しかしその時そこに「デザイン」の入る余地はない。
現実の問題においては、理論化されていない部分があったとしても、とにかく何とかして答えを出すことが必要なんだ。そうでないと何もモノはできないし、コトは進まない。論理的に消化できていない問題にも、とにかくとっかかりを探して無理矢理答えらしきものをひねり出すことが必要だ。それはロッククライマーが、手を伸ばして微細なくぼみを指先で探りつつ岩を上っていくようなものだ。登り切って岩の上から見れば最適なルートも見つかるかも知れないが、現実はすべてクライミング中の出来事だ。
理論で捉えられないものに答えを見いだすのは、マジックと変わらない。
(100124)
0 件のコメント:
コメントを投稿