2010年1月30日土曜日

思うことだけをやる

俳優大滝秀治(84歳)に関するテレビの番組で、大滝秀治が先輩である故宇野重吉のつぎのような言葉を紹介していた。
「思いをこめれば、自然とそれは出てくるものだ。思ってもいないことをするな。」
前半部分は一つのなぐさめ、あるいは若輩への励ましの言葉で月並みに感じるが、問題は後半だ。下手は、(自分も含めて)思ってもいないことを、ついやってしまうものなのだ。
何かをするとき、本当にそれを思っているのかを自分に問うことは大切だ。わかることだけをやろう、思うことだけをやろうと思う。
(100130)

2010年1月24日日曜日

デザインはマジック

デザインは常にマジックである。
デザインで解決しようとする問題の中には必ず自明でないパスが存在する。問題に関わるいろいろな要素がすべて理論化されているとすれば、あとは計算通りに実施するだけだ。しかしその時そこに「デザイン」の入る余地はない。
現実の問題においては、理論化されていない部分があったとしても、とにかく何とかして答えを出すことが必要なんだ。そうでないと何もモノはできないし、コトは進まない。論理的に消化できていない問題にも、とにかくとっかかりを探して無理矢理答えらしきものをひねり出すことが必要だ。それはロッククライマーが、手を伸ばして微細なくぼみを指先で探りつつ岩を上っていくようなものだ。登り切って岩の上から見れば最適なルートも見つかるかも知れないが、現実はすべてクライミング中の出来事だ。
理論で捉えられないものに答えを見いだすのは、マジックと変わらない。
(100124)

2010年1月13日水曜日

デザインは理論を超えたい!

デザインは理論(セオリーやノウハウ)を超えようとする性向を持っている。
それはデザインが何の前提もおかずに「本当によいもの」を目指すという使命(自分がそう勝手に考えているだけかもしれないが)を帯びているからだと思う。
だからすでにノウハウ化、セオリー化した手法や評価にも疑問の眼を向けることになる。ある意味、そういったセオリーという名の判断停止、ないし判断を他にあずける行為自体、反デザイン的なものと感じるのだ、デザイナーにとって。

(100113)