2006年10月3日火曜日

アイコンの評価

アイコンの評価基準は、次のとおり。


(1)弁別性
その他のアイコンといかに弁別できるかということ
したがって、アイコンで表現するものの数も実際には問題


(2)学習性、印象性、象徴性
一度覚えたら、忘れない
教えられたり、学習してもよい/つまり(3)のよりも重要である。


(3)意味性
それが何であるか、説明をされなくてもわかる
自己説明性が高い


できあがったアイコンを見せたとき、説明不要でその意味がわかることは大変すばらしい。→(3)
しかし、実際にはそれよりも(2)の方がポイントが高い。つまりパッと見せてそれがなんであるかわからないアイコンであっても、一回説明されれば強く印象に残り、忘れにくいのであれば(2)、そのことの方が重要である。
通常はとかく、アイコンは(3)で評価されがちである。説明なしでわからないと、こんなアイコンじゃ意味がわからないよ、といわれてしまう。他の人にも見せて「ほらやっぱりわからないよな」といって完全に否定されてしまう。しかし文字による表象ではないので、そのことはたいした問題ではない。
もっとも重要な点は、瞬間的にきっちりと他のアイコンと区別がつくことである。→(1) ようく見ないと、違いがわからないのでは、アイコンを使う意味がない。ようく見て正確にアイコンの意味内容がわかることを目指すべきではない。それが重要ならアイコンではなく、文字でしっかり記述すべきである。
とはいえ、駅の券売機などのように学習も説明もされないようなシステムでは、もちろん(3)の重要性は高まるが。


以上を満たすアイコンとして、最高傑作をあげれば個人的にはLasso(投げ縄)をあげたい。
これを最初に見て機能を言い立てた人は、いないと思う。しかしこの機能をして、これ以上のアイコンを描くことは困難であると思う。私はこの機能を一生忘れないと思う。


アイコンをデザインするのは最高レベルに難しい。釣りはフナに始まりフナに終わる、などといわれるが、インターフェースのデザインは、アイコンにはじまりアイコンに終わると言える。
(061003)

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