電車の中でたぶん工学部生らしい大学生の会話。「今度のマシンは、あれがああでこれがこうなんだよ、すごいよな。」「でもクロック的にはこうなんじゃないの。結局は○○は××っていうぜ...。」なんだか、どれもどこかの雑誌かネットで出ているような情報ばっかり。つまり俺はこんなレアでディープな知識を知っているぞ競争。あるいはこういう判断がもっとも信憑性の高い優れた判断であることを俺は知っている、ということ。
私は工学部の出身で美大で教えているが、教えている学生にこういったパターンの会話はあまり聞かれないような気がする。
どうしてそうなるのか、考えたのだが、美大では最終的にはこう問われる。「...それで、君はいったいどう思うんだ?」と。
しかし普通、工学部ではそうは問われない。もし学生が「私はこう思うんです。」といったら、教授たちは「それは『君の』考えだろう。それは誰がどの論文でいっていることか。あるいは実験でそれを君はそれを証したのか?」というだろう。
私は、この教授と学生の発想のどちらか一方が正しいとは思わない。どっちもあるんだ。片方しかない、片方しか知らない、ということが問題だし、それこそが正しくない、というべきだろう。
(100301)
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