2009年1月16日金曜日

リアリティということ

デザイナーにとって私がもっとも大切だと今思うことを書いておこう。それはリアリティということだ。自分にとってそれが本当らしいかどうかという感覚を指しているが、あくまで「自分にとって」の感覚なのでこれを他人と比べることはナンセンスだ。おまえのリアリティよりも俺のリアリティが優れている、とは言えない。
ただしどちらがより人々にとって意味があるかは、結果として現れてくる。残念ながら、あるいは幸運なことに、その結果はある時点での結果でしかないが。
それからリアリティには、人によって強弱ないしコントラストがある。デザイナーとしてはコントラストは強い方がよいだろう、たぶん。すべての事象に対して、平均的なリアリティを感じるよりも、リアリティの明暗が強い方が、デザインとしてわかりやすいし、強い。
もう一つ計れることは、自分の感覚としてのリアリティを、どれだけ自分の意識が正確に受け止めたか、あるいは自分の生き方として自分のリアリティをまっとうしたかどうか、それは自分に向かって問える、と私は思う。
そんなこんなで、リアリティこそがデザイナーの生命線である、と言えると思うのだが、皆さんはどう考えるだろうか?
(T美大2009年3月の卒業生へ)
(090116)